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居酒屋 壁補修工事

書:阿部飛鳥


実は意外と

 空風工務店は地域に根差した工務店で、実際に地域の個人のお客さんが多いのだが、実は意外と店舗工事もさせていただいている。リフォーム工事と店舗工事は意匠が違うだけで工事そのものは厨房内を除けば一緒といってもいい。つまり店舗工事とはリフォーム工事、空風工務店が得意な工事だ。

居酒屋の壁

 ご依頼いただいた時は拳の大きさ位の穴だった。おそらくのキッカケはお酒を飲んで『どんっ!』だと思われるのだが、見積りをしていざ工事に入ってみると、穴ではなく壁はメクられていた。雨漏り後もあるのですくなからずの影響はあるはずだが、酒→穴→酒→触る→酒→メクる。きっとこんな流れだと思うが思ってる以上にメクられている。メクるというか、はがすだし、もはや解体のレベルだ。


まずはしっかり解体

 貼るための準備は解体から、既存のGLボンドをいかしながら壁復旧の準備をしていく。大切なのはただ解体するのではなく、壁を復旧する為に壁を解体すること。ただ解体するだけなら誰でも出来るが、次に何をするかを考えて解体する事が大工としては大切、解体は手段で目的は壁の復旧、目的と手段を間違えてはいけない。


壁の復旧

 GLボンドが無い所にはしっかりと下地を仕込んで、P.Bを張っていく。また、目的と手段の話になるが、プラスターボードを張るのは手段で、クロスをキレイに張れるのが目的です。そもそも壁の復旧が目的でそれ以外の仕事はすべて手段です。ゴールをキッチリ設定することで、その仕事をどうすればいいかを自分達で理解し作業をする。ゴール設定を明確にしないと目の前の仕事だけに集中してしまい、何の為にその仕事をしているのか見失いがちです。


見切りをとめて作業完了

 今回は大工工事のみを引き受けた為、クロス工事はお客さんが手配した。プラスターボードを張った後に、元々付いていた見切りを取り付けて作業完了となった。今回の件は分かりやすく【割れ窓理論】だなと思いました。最少は小さな穴だったのが結果より大きな穴となりメクレとなった。たとえ小さな穴であっても放置すると、注意を払っていないという象徴になり、より大きな損害につながるという分かりやすい事例を工事させていただいた。空風工務店でも小さな事をおざなりにせずに、掃除・挨拶・笑顔を凡事徹底していきたいと思います。